思考<これからの十年を考える>

先に、私は、これからまた十年はこの仕事を続けると書いたが、

いま舞台美術家というこの職業をとても考える。

舞台美術家とは何か?
舞台美術家としてこれから何をしていくべきなのか?

そもそも舞台美術家なるものが日本に現われてからまだ百年経っていない。
日本の舞台美術家で先駆者と言われるのは伊藤 熹朔氏(1899-1967)
俳優座劇場の初代社長でもある。

二年前に彼の著書「舞台装置の研究」(1941年出版)を読んでとても感銘を受けた。
しかし、それと同時に、60年以上、あまり発展していない日本の舞台美術の世界を感じる。

もちろん、彼以前にも舞台美術の仕事をしていた人はいるが、
明確に舞台美術という職業の名で仕事を始めたのは伊藤氏が最初であろう。

世界に目を向けても、やはり時代の浅さには変わらない。

stage-designerという言葉で探るとこの二人にぶつかる。
ゴードン・クレイグ(Gordon Craig)1872-1966
アドルフ・アピア(Adolphe Appia)1862-1928

しかし、彼らは純粋に舞台美術家であったわけではなく演出家でもあった。

そうやって純粋な舞台美術家を探ると
Josef Svoboda1920-2002にあたる。
しかしながら、彼は21世紀まで生きていた、ごく最近の人物だ。

彼ら以前を探ると、建築家であったり、画家、彫刻家が舞台美術を行っていた。
近代に入り、演出家の力が大きくなって来ると演出家自身が舞台の空間も考えるようになる。
ゴードン・クレイグ/アドルフ・アピアがその代表的な例であろう。

でも、現代の舞台美術家は演出家でもなく、画家や彫刻家などのアーティストでもない。
しかし、演出的意図を考え、画家や彫刻家などのアーティスト的要素も必要とされる職業である。


私はいま自分がこの職業でどのように活動していくべきなのか明確な答えを見つけることがいないで
いる。

しかし、何もしないのではなく自分の中で答えを探っていきたい。
とりあえず、いま以下の三つのことを考える。

・舞台美術史(演劇史や劇場史を含めた)の研究
・現在の世界の舞台芸術の状況
・社会の中で、どうあるべきか?

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矛盾するが、こんな事を考えずに純粋に仕事を楽しめたらどんなにいいだろうとも思う。

でも、それが今の私にはできない。
自分の立っている場所に安定感が持てない。
だからこそ、上記の事をとことん考えたい。

今私がいるカンパニーはそれらを考えるにはとてもいい場所だと思っている。

この十年は、地盤固めと思ってがんばりたい。











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